骨董品鑑定士とは?なり方や仕事内容を徹底解説!
骨董品鑑定士というと、骨董品を鑑定するだけだと思っていませんか?
確かにテレビ番組などで見る姿は、蔵から出てきたお宝を鑑定するといったものが多いように思います。
しかし、骨董品鑑定士は骨董品を鑑定するだけじゃないということを、多くの方に知っていただきたいと思います。
そこで今回は、骨董品鑑定士という仕事についてご理解していただけるように詳しく説明いたします。
骨董品鑑定士とは?
骨董品鑑定士とは名の通り、骨董品の鑑定をする人のことをいいます。
骨董品や美術品、絵画、掛軸などの制作された時代や作家を調べ、その価値を見極めます。市場価格や価値を査定し、必要な場合は鑑定書の作成をします。
また、骨董品鑑定士の中には、絵画専門の鑑定を行うなどジャンルを一つに絞っている場合や、全てのジャンルに精通している鑑定士が存在しています。しかし、どちらにしても膨大な知識量が必要となり、正しい価値を見極める目を持たなければなりません。
骨董品鑑定士というお仕事
骨董品鑑定士のお仕事はさまざまです。
骨董品や美術品の鑑定はもちろんですが、鑑定書を書く仕事が舞い込むこともあります。
また、自ら美術商を営み、骨董品の買い付けを行い、古美術商のサポート役やオークション企業の相談役を任されることなどもあるかもしれません。それに、経験をもっと積み、信用が得られれば、裁判所からの依頼やテレビ番組のオファーの話がくることもあります。
このように、一般の人からの依頼や裁判所からの依頼など、幅広い仕事や人たちとの関りがある仕事です。しかし、どんな仕事を受けるにしても、骨董品を鑑定するということを十分に果たさなければ骨董品鑑定士としての仕事は成立しません。
日々目を養い、知識をさらに増やしていくことが欠かせない仕事なのです。
骨董品鑑定士になるためには?
骨董品鑑定士になるためには、実際どのような資格やどのような進路に進めばなれるのでしょうか。
①資格について
骨董品鑑定士には資格がありません。そのため、今日から自分は骨董品鑑定士だと名乗ることはできますが、経験や実績がない状態ではお客様からの信頼を得ることは到底不可能です。
学芸員になってから骨董品鑑定士になる方もいるようですので、学芸員の資格取得をすることも視野に入れておくと良いかもしれません。
②進学・就職について
資格と同様に、骨董品鑑定士になるための専門の学校はありません。もし高校や大学に進学するのであれば、美術や芸術関係の学校に通い、美術、歴史学、日本文化学、考古学などの勉強をしましょう。在学中はできる限り知識を身につけ、美術館や博物館で本物を見て、目を養いましょう。
卒業後は古美術商や画廊、美術館、博物館などに就職し、さらに知識を身につけ、本物を見て目を養い、信頼を築くことが重要になってきます。また、ギャラリーや百貨店に就職し、美術フロアや古美術展の担当となり、骨董品や美術品に触れて、目を養う方もいるようです。そうして、さまざまな骨董品や美術品に触れ、経験を積み、得意なジャンルを確立するのも良いかもしれません。
昔は骨董品鑑定士になるために、経験豊富な鑑定士について修行し、目を養っていたようです。しかし、今ではそういったことが少なくなっています。まずは失敗しても良いので経験を積み重ね、骨董品に関することを覚え、知識を蓄えていきましょう。
地道に審美眼を鍛え、周りに自らの実力を認めてもらえるようにすることが、一人前の骨董品鑑定士になるための近道となることでしょう。
骨董品鑑定士に必要な能力とは?
骨董品に興味があることはもちろんですが、細部にまでこだわって見るための観察力と、本物と贋作の違いを見抜く繊細な注意力は重要な能力です。
審美眼は鍛えることができますので、骨董品や美術品を実際によく見て養いましょう。そして、芸術的価値や商品としての価値を見出すことも求められる能力です。作品が作られた時代背景、主流となった作風、作家の特徴や交友関係に至るまで、全てを把握できるようになる必要があります。
また、コミュニケーション能力も必要です。この界隈では、その人自身の信用と豊富な経験、審美眼が物を言う世界なので、他の鑑定士と繋がりを持ち、信頼を得られるように心掛けましょう。そして、自分自身の魅力と信用をずっと保ち続けられるように、常に成長する努力も忘れてはなりません。
骨董品鑑定士として古美術商を営む
腕が上がり、信用を得ることができれば、自分のお店を開くこともできます。将来的に、自ら古美術商を営みたいと考えているのならば、経営に際して、十分に注意することがあります。
まず一つ目に、古美術商を営むには資格を得るだけでは不十分です。
「古物営業法」に則り、公安委員会からの営業許可を得る必要があります。また、営業許可を得る前に警察署に書類を提出しましょう。公安委員会から許可がおりたら、「古物商」として営業することができます。
二つ目に、売買に関して注意することがあります。
買い受けた日や売った日、その品の特徴などを帳簿に記録し、しっかりと管理しなければいけません。これは、盗難による流出や有事の際の早期発見のためです。法律などで決められているので、しっかりと守らねばいけません。
まとめ
骨董品鑑定士というのは、膨大な知識を持ち、真贋を見極めることができ、また、信用も大事な仕事であることをお分かりいただけたと思います。真の骨董品鑑定士になるための道のりは長いですが、地道に目指していく他ありません。
当コラムで少しでも骨董品鑑定士について興味を持ち、仕事内容をご理解していただければ幸いです。また、「骨董品鑑定士になりたい」と思われる方が一人でも増えれば、非常に嬉しく存じます。