愛するペットちゃんを亡くした際は「きちんと火葬して供養してあげたい」と思われている飼い主様がほとんどかと思いますが「料金がどのくらい掛かるのか不安」という飼い主様も多いのではないでしょうか。
ペット火葬と一口に言っても、どこに依頼するか、火葬方法はどうするかによって費用は変わります。そこで今回はペット火葬に掛かる費用や葬儀業者の選び方などをご紹介していきます。
この記事の監修者
高間 健太郎
(獣医師)
大阪府立大学農学部獣医学科を卒業後、動物病院に勤務。診察の際は「自分が飼っている動物ならどうするか」を基準に、飼い主と動物の気持ちに寄り添って判断するのがモットー。経験と知識に基づいた情報を発信し、ペットに関するお困り事の解消を目指します。
ペットちゃんの火葬は、「自治体」「霊園」または「ペット火葬業者」に依頼するのが一般的です。
ペットちゃんが亡くなった際はお住まいの自治体に依頼すれば、無料で引き取ってもらえる場合もあります。
自治体によっては費用が掛かりますが、それでも安価なため、火葬費用を抑えたい場合には最も適した方法と言えます。
しかし、引き取られた後の遺体は一般廃棄物としてゴミと同じように火葬される場合があります。
「ペットちゃんを物のように扱われるのは辛い」など飼い主様にとっては満足できる火葬にならないケースも多いです。
多くの場合は返骨してもらえないため、理想の供養方法がある場合はよく検討してから依頼するようにしましょう。
火葬設備があるペット霊園・斎場であれば、火葬から納骨まで一括して依頼できます。
また、ご要望に応じてセレモニーや納骨などのオプションを追加できます。
僧侶による読経や永代供養など、飼い主様の供養面でのご要望を叶えてくれるメリットがあり、人間と同じように葬儀をして見送りたい方にはピッタリな方法と言えます。
しかし、霊園に火葬を依頼する場合は持ち込みが必要な場合が多く、交通手段が無い場合は利用しにくくなります。
霊園は郊外にある事が多いため、お住まいの場所によっては霊園自体が近くにない場合もあります。
訪問火葬とは、火葬設備を備えた火葬車がお家やご希望の場所まで出向いて火葬を行う方法です。
ご要望に沿って業者が提携している霊園への埋葬や、手元供養のためのメモリアルグッズ作成なども依頼できます。
遺体を搬送する必要がなく、ご要望に沿ってお見送りプランを設定してくれる業者も多いメリットがあります。
そのため、供養のために返骨を希望する場合や、霊園が遠い場合でも安心して活用できます。
しかし、悪質な対応をする業者を避けるために業者の選別に時間がかかることや、屋外で火葬を行うため周囲の目線が気になるなどのデメリットもあります。
ペット火葬にはペットちゃんのご遺体を火葬場・霊園まで持ち込んで火葬してもらうタイプと、葬儀業者にご自宅までペットちゃんを引き取りに来てもらうタイプがあります。
さらに火葬方法にもいくつか種類があるため、それぞれ詳しく説明していきます。
合同火葬とはペットちゃんの遺体を引き取った後、複数のペットちゃん達と合同で火葬するプランです。
火葬後は他のペットちゃんとお骨が混ざってしまうため、この火葬プランでは返骨されずそのまま葬儀業者によって埋葬や散骨されます。
料金相場は8,000~15,000円ほどと、他の火葬方法に比べると最も安価な火葬方法のため「できる限り費用を掛けずに火葬してあげたい」という飼い主様に選ばれている火葬プランです。
しかし、返骨してもらえないことや他のペットちゃんとまとめて火葬されることに抵抗を感じる飼い主様も多いです。
一任個別火葬とは、火葬業者にぺットちゃんの遺体を引き渡した後に、ペットちゃんを個別に火葬してもらうプランです。
飼い主様が火葬に立ち会うことはできませんが、スタッフが拾骨後に返骨してもらうこともできる火葬方法です。
料金相場は15,000~20,000円ほどと、火葬後のお骨の扱いにもよりますが、次に紹介する「立会個別火葬」よりは安価な場合が多いです。
「費用はできるだけ抑えたいけど、きちんと個別に火葬してあげたい」「手元供養のためにお骨を返してほしい」と思っている飼い主様に選ばれている火葬プランです。
立会個別火葬はペットちゃんを個別に火葬してもらう火葬プランです。一部の霊園のほか、指定の場所まで火葬車を派遣してもらえる訪問火葬を行っているペット火葬業者が行っている火葬方法で、一任個別火葬と違って飼い主様が火葬に立ち会い、自らの手で拾骨することができる特徴があります。
料金相場は20,000~40,000円ほどと他の火葬プランに比べ費用は掛かりますが「家族同然のペットちゃんを、人間と同じような方法で最後まで見送ってあげたい」「希望する供養方法があるので、火葬業者と相談したい」という飼い主様に選ばれています。
ここではペットちゃんの種類別に、おおよその費用の相場をご紹介します。
下記の費用相場は各社の表記料金を参考にしていますが「出張費」「夜間料金」「骨壺代」「永代供養費」「霊園への埋葬費」などのオプションも必要なため、下記料金にプラスして10,000円~20,000円ほどがペットちゃんを火葬する費用となります。
小鳥やハムスター・モルモット・フェレットなどの小動物は12,000~25,000円が相場です。
種類・体重 | 火葬の種類 | 料金 |
小鳥・ハムスター(2kgまで) | 合同火葬 | 12,000~15,000円 |
一任個別火葬 | 17,000~20,000円 | |
立会個別火葬 | 19,000~22,000円 |
種類・体重 | 火葬の種類 | 料金 |
うさぎ (2kg以上) | 合同火葬 | 16,000~20,000円 |
一任個別火葬 | 21,000~24,000円 | |
立会個別火葬 | 23,000~25,000円 |
猫の場合も体重の増加に伴って料金が高額になります。相場は16,000~25,000円程度です。
種類・体重 | 火葬の種類 | 料金 |
猫(2~5kg) | 合同火葬 | 16,000~20,000円 |
一任個別火葬 | 21,000~24,000円 | |
立会個別火葬 | 23,000~25,000円 |
犬は犬種によってサイズの違いが大きいうえ、火葬料金は体重によって異なるため、小型犬でも太りすぎている場合は料金が違ってくる場合もあります。あくまで目安として参考にしてください。
種類・体重 | 火葬の種類 | 料金 |
超小型犬(2~5kg) |
合同火葬 | 16,000~20,000円 |
一任個別火葬 | 21,000~24,000円 | |
立会個別火葬 | 23,000~25,000円 | |
小型犬(5~10kg) | 合同火葬 | 20,000~25,000円 |
一任個別火葬 | 25,000~30,000円 | |
立会個別火葬 | 27,000~35,000円 | |
中型犬(10~25kg) | 合同火葬 | 30,000~35,000円 |
一任個別火葬 | 35,000~40,000円 | |
立会個別火葬 | 37,000~45,000円 | |
大型犬(40kg以上) | 合同火葬 | 50,000円~ |
一任個別火葬 | 55,000円~ | |
立会個別火葬 | 57,000円~ |
費用が掛かるのは火葬だけではありません。火葬前と火葬後に掛かる費用も計算に入れておきましょう。
急な出費に慌てないように、必要な料金を把握しておくのがおすすめです。
愛犬のための情報サイト「INUNAVI(いぬなび)」を運営する株式会社PLAN-Bが行った「愛犬の葬儀」に関するアンケートでは、葬儀に掛かった費用は「2万~4万円」と回答した方の割合が最も多くなっています。
ペットちゃんの火葬を行う際は火葬料金に加えて、棺に入れるお花などのお供え物や火葬後の供養方法によってさらに費用が掛かることもあります。そのため、ペットちゃんの火葬・葬儀を行うためには、実際はこのくらいのお金が掛かることを覚えておきましょう。
※参考サイト
愛犬が亡くなったら葬儀どうする?トラブルがあった人も…!?【犬の飼い主691人に大調査!】INUNAVI(いぬなび)
ペットちゃんを安置するため、体のサイズに合った棺を用意しましょう。
段ボールや家にある保冷剤でも代用できますが、棺は3,000~5,000円程度、ドライアイスは購入する場合1kgで500円程度で購入できます。
また、棺にお花を入れたい場合は近くのお店で購入、もしくはネットで注文しましょう。花の種類や量によって値段は異なりますが、3,000~5,000円程度で注文できます。
棺に入れる花の種類には特に決まりはありません。ペットちゃんとお出かけしたときに咲いていた思い出の花や、名前や毛色からイメージした色の花を選ぶのも良いですね。
火葬後のお骨の供養方法に応じて、適切な品を用意します。
骨壺はシンプルなものであれば3,000~5,000円、遺骨を納めるペンダントは2,000~4,000円で購入できます。
デザインが凝った骨壺や用途にあわせたメモリアルグッズを選ぶ場合はさらに費用が高額になるため、よく吟味して選ぶのがおすすめです。
また、ペット火葬業者に依頼する場合は棺やお花、メモリアルグッズなど必要な品物を一緒に購入できる場合があることもあります。自分で用意する場合に比べて、サイズや量を間違える心配が要らないメリットがあります。
筆者が実家で飼っていた犬は一任個別火葬で火葬しました。家族の予定がつかず立ち会いができないことが理由でしたが、少し寂しいお見送りになりました。
今になって思えば拾骨ができなかったことで「ひとりぼっちで送り出してしまった」という後悔を残してしまったのが原因だと思います。
火葬方法を選ぶ際に費用は最も気になるポイントではありますが、そればかりにこだわって選んでしまうと筆者のように後悔することもあります。
ペットちゃんをお見送りできる機会はたった一度しかありません。何を重視してこの方法を選ぶのか、よく考えてみてください。
全国にはたくさんのペット葬儀業者があります。そのため初めて利用する場合は、どこに依頼すればいいのか分からないという方も多いと思います。
適当に葬儀業者を選んでしまうと、悪徳な業者に騙されトラブルとなってしまうこともあります。そこでこの章では実際にあった悪徳業者とのトラブルをご紹介いたします。
悪質な業者に依頼すると、引き取った遺体を不法投棄されたり、無理やり高額な契約を結ばされたりと、希望していた通りの火葬が行われないことがあります。
特に料金面でのトラブルが多く報告されており、事前に説明がなかった高額な追加料金を後になって請求されるケースが多いようです。
その他にも火葬設備の老朽化やメンテナンス不足で遺骨が焦げる、異臭や有害物質が漏れ出ることで周辺住民からのクレームにつながるなど、設備面でのトラブルの報告も多いです。
悪質業者の被害や対策方法はこちらでまとめていますので、これらを参考に気になることは事前に確認しておいたり、その業者の口コミを調査したりして対策することが大切です。
ペットちゃんの種類や体重によって異なりますが、火葬料金は小動物なら10,000円、小型の猫・犬なら20,000円程度。それにメモリアルグッズや副葬品のお花などの費用がプラスされた金額がペットちゃんの火葬に掛かる費用となります。
出張ペット火葬は、ご自宅までペットちゃんをお迎えにきてくれる大変便利なサービスですが、悪徳な業者に依頼してしまうと、大切なペットちゃんを雑に扱われたり、高額な料金を請求されたりして、お別れが辛い思い出となってしまうこともあります。そのようなことがないように、信頼できる業者を見極めて大切に供養してあげましょう。
この記事の執筆者
ペット火葬
ハピネス 編集部 J・N
愛するペットちゃんとのお別れによって心に深い悲しみと不安を抱えた飼い主様を支えられるような、わかりやすく正確な記事作成を心掛けています。自分のこと以上に大切な家族を思いやることができる優しい心を持った飼い主様の力になれるように努めます。
※許認可の関係等で現在対応できない地域も
一部ございます。