ハムスターが死ぬ前に見せる症状とは?予兆や行動について解説

ハムスターは小さくてお世話に手間がかからないため、とても飼いやすいペットです。

しかし、ハムスターは他のペットに比べ寿命の短い動物です。飼い主様がいち早くペットちゃんの変化に気づき「特別な最期の時間」を過ごせるように、今回はハムスターが死ぬ前に見せる行動についてご紹介します。

この記事の監修者

高間 健太郎(獣医師)

高間 健太郎
(獣医師)

大阪府立大学農学部獣医学科を卒業後、動物病院に勤務。診察の際は「自分が飼っている動物ならどうするか」を基準に、飼い主と動物の気持ちに寄り添って判断するのがモットー。経験と知識に基づいた情報を発信し、ペットに関するお困り事の解消を目指します。

ハムスターの寿命と疑似冬眠

ハムスターの寿命と疑似冬眠

ハムスターの寿命は種類によって差はありますが、大体2~3年と言われています。とても寿命が短い動物ですので日々体調の変化を注意して見るようにしましょう。

また、ハムスターは環境によっては疑似冬眠することがあります。

これはハムスターの体温が急激に下がったことが原因の仮死状態であり、やがて命を落としてしまう危険な状態です。

疑似冬眠に入る原因

ハムスターが疑似冬眠に入る原因として、急激な温度(室温)低下、ケージ内の日照不足、エネルギー不足が挙げられます。

詳しく解説します。

【温度の急激な低下】

ハムスターは寒さに弱く、温度が10度を下回ると活動が鈍くなり、5度以下になると疑似冬眠に入ります。

そのため部屋を暖房で温かくしたり、ケージ内にヒーターを設置するなど寒さ対策を万全にする必要があります。

【ケージ内の日照不足】

ハムスターは夜行性のため、昼夜の区別が付かずに生活リズムが狂うとストレスで弱って疑似冬眠に入ることがあります。

【エネルギー不足】

疑似冬眠はエネルギーが不足することでも起こります。

十分なエサがなく、室温が下がっているという状況が重なると疑似冬眠に入ってしまうケースが多いです。

疑似冬眠の見分け方

動かなくなったハムスターを見れば、多くの人は「力尽きてしまった」と思ってしまうかもしれませんが、疑似冬眠中に適切な処置をすれば、蘇生できる可能性は十分にあります。
死後硬直が起こっておらず体が柔らかいか、呼吸によってヒゲが動いていないかなど、よく体を観察することが大切です。

疑似冬眠から回復させる方法

ハムスターが疑似冬眠した場合でも、体を温めてあげることで回復する可能性があります。
ただし、暖房やお湯につけるなどの方法で急速に体を温めることはハムスターの心臓に多大な負荷を掛けることになるため、ゆるやかに温めてあげることがポイントです。

疑似冬眠から目覚めさせる方法
やること 時間

温かい部屋で両手でハムスターを包み、ゆっくりと体温で温めます。ヒゲが動くなど意識が回復した様子があれば、病院へ連れて行きましょう。

30分程度

それでも意識が回復しない場合も多いため、焦らずにタオルで巻いたカイロなどで体を温めてあげます。

1時間程度

温めながら体の弾力や反応もよく確認しておきましょう。 体が硬くなれば残念ながら死亡していますが、そうでなければ根気よく①②の工程を繰り返します。

様子を見ながら①②を繰り返す

ハムスターが目を覚ましたら

目を覚ましたら消費したエネルギーを補給してあげる必要があります。

人肌程度に温めたお湯に砂糖を溶かした砂糖水やミルクを綿棒などで口元まで運んで飲ませてあげましょう。

目を覚ました後もすぐに元気を取り戻すわけではありません。よく様子を見ておくのはもちろん、エサや飲み水をしっかり摂っているかも確認することが大切です。もちろん、室温や環境を見直すことも忘れないようにしてください。

長生きするためにできること

長生きするためにできること

ハムスターは寿命の短い動物ですが、少しでも長生きできるように飼い主様がしてあげられることをご紹介します。大切なペットちゃんと少しでも長く過ごせるように、気をつけてあげましょう。

日々の健康チェック

ハムスターのように小さな動物は、体の大きな動物に比べとてもデリケートです。小さな病気でも死に至ることもありますので、日々ペットちゃんの健康チェックをしてサインを見逃さないようにしましょう。

チェックするポイントは「耳が立っているか」「毛並みは悪くないか」「動きが鈍くなっていないか」「排泄物に異常はないか」「ご飯はいつも通り食べているか」などです。

体重管理

人間もハムスターも肥満や痩せすぎは体に負担がかかります。日々体重管理をして、太ってきた場合は運動や餌などで調整しましょう。ペットちゃんの体重は飼い主様の管理がとても大切です。

種類や性別・体格によって適正体重は違いますので、まずは正しい適正体重を把握することが重要です。体重計は小数点以下まで測れるキッチンスケールなどを使い、週に一度程度の頻度で、なるべく同じ時間に測定します。

環境を整える

ハムスターが過ごしやすいようにケージの中をレイアウトしてあげましょう。特に「小屋」は、ハムスターが人の目線や音から隠れてリラックスして過ごせるスペースにしないといけません。そのため、ケージの奥に配置してあげることが重要です。

そして衛生面も整えてあげる必要があります。例えば、餌や給水ボトルの水の入れ替えを怠ると傷みますし、排泄物をそのままにしていると菌が発生して、病気にかかってしまうこともあります。餌や水は毎日交換し、ケージの中は定期的に掃除して清潔な環境を整えてあげましょう。

部屋の温度調整

人間と同じようにハムスターも気温が高くなると熱中症になってしまいます。飼い主様が外出している間もクーラーを入れて、27度を超えないように調整してあげましょう。

逆に、気温が15度を下回るほど低いと疑似冬眠してしまうこともあります。疑似冬眠をすると体に負担がかかり、最悪の場合死に至ります。

小動物用のペットヒーターを使用したり、ケージを置いている部屋の温度を18度以上に保つことで冬眠状態になるのを防ぎ、安全に冬を越しましょう。

ストレスを減らす

ストレスは体に悪い影響を与え、病気のリスクを高めてしまいます。

ゆっくり寝られるように静かで過ごしやすい場所にゲージを置き、適度に運動させてあげましょう。

ハムスターが死ぬ前に見せる行動や変化

ハムスターが死ぬ前に見せる行動や変化

ハムスターが死ぬ前はどのような変化があるのでしょうか?この章では具体的な変化についてご紹介します。これらの変化や行動がみられた場合は獣医師に相談するようにしましょう。

食欲がない

体調が悪くなると食欲がなくなります。すぐに食欲の変化に気づけるように、日々の食事管理が大切になります。いつもより食べていないようであれば注意して観察するようにしましょう。

とはいえ夜行性なので、日中は餌を食べる姿を見られないこともあります。餌の量を一定にして食べた量を確認したり、体重を記録することで変化に気づけるようにしておきましょう。

寝ている時間が長い

ハムスターは種類にもよりますが、一日の睡眠時間は約12~14時間と言われています。高齢になるにつれて体力が衰えて更に睡眠時間が長くなります。

明らかに睡眠時間が長くなった場合は寿命が近づいているサインかもしれません。また、ケガをしていたり、体調が悪いというケースもありますので、獣医師に相談するようにしましょう。

動きが鈍い

ぐったりして動かないという場合は体調が悪いサインかもしれません。続くようであれば一度獣医師に相談しましょう。

ハムスターは高齢になるにつれて動きが鈍くなるため、ケージ内の段差を減らすなどレイアウトを変更することも大切です。

下痢が続く

老化とともに消化の動きも低下し、下痢が多くなることもあります。

脱水症状を引き起こす恐れもありますので、下痢が続く場合は様子を見ながら獣医師に相談しましょう。

毛並みが悪い・脱毛

ハムスターは綺麗好きなため、毛づくろいをしている姿を見かけることも多いのではないでしょうか。毛づくろいは毛並みを整えるだけでなく、リラックスしている状態にすることが多いしぐさです。

そのため、いつも綺麗な毛並みの状態が悪い、脱毛して皮膚が見えているなどの症状があれば注意するようにしましょう。

体温が下がる

ハムスターだけでなくほとんどの動物は、死ぬ前になると体温がだんだん下がっていきます。

ペットちゃんの体が冷たいと感じたら、死が迫っているサインかもしれません。

ハムスターの最期にできること

ハムスターの最期にできること

ペットちゃんとのお別れが迫っているのはとても悲しいことですが、少しでも幸せな最期を送らせてあげたいですよね。

この章では死ぬ前に見せる症状が現れた際に飼い主様がしてあげられることをご紹介します。

ハムスターの性格や状態をよく観察して、獣医師に相談しながら最期を過ごすようにしましょう。

好きな食べ物をあげる

獣医師から食事制限をされておらず、食欲がある場合は好きな食べ物をあげるのもいいでしょう。

食べやすいように細かくして、口の近くまで持っていってあげると食べやすくなります。

一緒にいる時間を増やす

筆者はこれまで犬や熱帯魚など様々なペットと暮らしてきましたが、一度も看取ってあげられたことがありません。

そのことが後悔として胸に残っていますが、その原因はきちんとお別れが言えなかったことにあると思っています。

生活がある以上、どうしてもタイミングがあわないことはあるかもしれません。しかし、看取ることが難しくてもせめて感謝の言葉くらいは伝えられれば良かったと今でも思います。

そのため、最期はできるだけペットちゃんと一緒に居て、安心できるように優しく声をかけてあげましょう。

いつも通り過ごさせてあげる

ペットちゃんとの最期はできるだけ一緒に居てあげたいですが、必要以上に触ったり動かしたりしすぎると、逆にハムスターにとってストレスになることもあります。いつも過ごしている場所でいつも通り過ごせるようにしてあげましょう。

亡くなったあとにしてあげられること

亡くなったあとにしてあげられること

大切なペットちゃんですから、亡くなった後も最後まで供養してあげたいですよね。

この章ではハムスターが亡くなった後にしてあげられることをご紹介。ご自身に合った方法で供養してあげましょう。

火葬

ハムスターも他のペットちゃんと同じように火葬することができ、適切な火力調整を行えばお骨を残すこともできます。

ハムスターの火葬実績がある業者(小動物に対応できる設備が揃っているとも言い換えられます)への依頼がおすすめです。

より詳しくハムスターの火葬について知りたい方はこちらのコラムを参考にしてください。

ご自宅の庭に埋葬

私有地であればご自宅の庭に埋葬することができます。ご自宅の庭にお墓を建ててあげることで、いつでもハムスターの元気な様子を感じることができるうえ、場所を取らず埋葬できるため、体の小さいハムスターに向いている方法とも言えます。

ただし、土葬を行う際は必ず私有地で行うようにしてください。

ペットの遺体は一般廃棄物扱いのため、廃棄物の処理及び清掃に関する法律の違反となり、5年以下の懲役もしくは1,000万円以下の罰金、または両方に処される可能性があるからです。

あわせて、ハムスターの遺体を埋めたことで飲み水や周辺の畑に悪影響を与えないために周辺に水源や畑がないことも考慮する必要があります。

*参考サイト
廃棄物の処理及び清掃に関する法律

プランター葬

庭がない場合はプランターに埋葬するプランター葬がおすすめです。

場所を取らないメリットがあり、ハムスターのイメージにあうお花を植える楽しみもあります。

お墓や納骨堂

最近はペット葬儀業者にて火葬を依頼して供養する方法を選ぶ方も多いです。

火葬された遺骨をそのままお墓や納骨堂などに納骨してもらえます。

手元供養

火葬してもらったあと、遺骨を骨壺に入れたままご自宅で安置される方もいらっしゃいます。

また、遺骨を入れることができるミニ仏壇やアクセサリー・オブジェなどもあります。

散骨

遺骨をパウダー状にして、山や海へ散骨してくれる散骨業者もあります。

ご自身で散骨する場合は、場所によって許可が必要な場合もありますので確認を取るようにしましょう。

まとめ

大切な家族であるハムスターなので、死ぬ前の症状が見えたら誰もが慌ててしまうでしょう。しかし、最後だからといって必要以上に触ってしまうと、ハムスターにとってはストレスになってしまうこともあります。

いつも通り安心して最期を迎えられるようにしてあげましょう。ハムスターは小さな動物ですので、火葬はもちろん土葬することもできます。ハムスターにとって、家族にとってどの供養方法がいいのか元気なうちから相談するといいでしょう。

この記事の執筆者

執筆者

ペット火葬
ハピネス 編集部 J・N

愛するペットちゃんとのお別れによって心に深い悲しみと不安を抱えた飼い主様を支えられるような、わかりやすく正確な記事作成を心掛けています。自分のこと以上に大切な家族を思いやることができる優しい心を持った飼い主様の力になれるように努めます。

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