日本でペットを飼っている割合は、三世帯に一世帯といわれており、ペットブームが続いています。最近は犬や猫に加え、フェレット・爬虫類・フクロウなどの珍しい動物も人気です。
今回はその中でも人気が高いフェレットについて、かかりやすい病気や死ぬ前に見せる症状などをご紹介します。
ぜひ参考にしてください。
この記事の監修者
高間 健太郎
(獣医師)
大阪府立大学農学部獣医学科を卒業後、動物病院に勤務。診察の際は「自分が飼っている動物ならどうするか」を基準に、飼い主と動物の気持ちに寄り添って判断するのがモットー。経験と知識に基づいた情報を発信し、ペットに関するお困り事の解消を目指します。
この章ではフェレットの特性をご紹介します。
フェレットはどんな特性を持った動物なのか、寿命はどのくらいなのかを詳しくご紹介します。
フェレットはイタチ科に属する小動物です。人間との関わりは、およそ3000年前にエジプトでネズミやウサギを捕るために家畜化されていたのが始まりと言われています。
小さい体ながら自分より大きな動物にも襲い掛かるほど狂暴ですが、現在日本でペットとして流通しているフェレットは、改良されており人懐っこい子が多いです。
日本にペットとして流通しているフェレットは、穏やかでおとなしい性格の子が多く飼育しやすいです。しかし、もともと狩猟に使われていたため、種類によっては噛み癖がある場合があります。そのため小さい頃からのしつけが大切です。
フェレットの寿命は平均6~8年くらいで、長い場合は10年ほど生きることもあります。最近はペットフードの品質が上がっていることや医療の発達により寿命が伸びており、14年ほど生きたフェレットも実際にいます。
フェレットがかかりやすい三大疾病をご存知でしょうか?それは「インスリノーマ」「副腎腫瘍」「リンパ腫」です。
この章ではフェレットがかかりやすい三大疾病について詳しくご紹介します。
インスリノーマは膵臓に腫瘍ができ、インスリンというホルモンが必要以上に分泌されて血糖値が下がってしまう病気です。
中年以降のフェレットがかかりやすいと言われており、ふらついたり、元気がなくなるような症状が出ます。
副腎腫瘍は副腎に腫瘍ができる病気です。メスは女性ホルモンの影響を受け、陰部の腫れや脱毛の症状が出ることがあり、オスは尿漏れなどの症状が出ることがあります。
リンパ腫は血液の癌で高齢のフェレットがかかりやすいと言われています。遺伝・ウイルス感染などが原因で、リンパ球が癌になってしまう病気であり、腫瘍ができる部位によって症状が異なります。
胸腔内に発生した場合は咳や呼吸困難になってしまうこともあり、腹部にできた場合は下痢や嘔吐などの症状が出ることもあります。また、脾臓にできた場合は食欲低下や体重減少、ずっと寝ているということもあります。
フェレットも犬や猫と同じように、蚊によって媒介される寄生虫であるフィラリア(犬糸状虫)に感染します。
食欲や元気をなくす、胸水や腹水がたまるなどの症状が出ますが、体の小さなフェレットの場合は重症化しやすく、突然死の原因になります。定期的な検診と予防接種でかからないようにすることが大切です。
愛するフェレットには、一日でも長く生きてほしいと思うことは当然です。しかし、どのようにすれば一日でも長く生きてもらえるのでしょうか。この章では寿命を伸ばすために飼い主様ができることについてご紹介します。
健康で長く生きるためには、食事が何より大切です。フェレットの食事は肉がメインですが、人間の食べ物は高カロリーなので与えないようにしましょう。フェレットの年齢にあわせたフードが販売されているため、最適なものを選びましょう。
運動をしないことで肥満になって様々な病気になるリスクが高まるうえ、ストレスの原因になります。
フェレットは寂しがり屋な動物でもあります。何歳になっても一緒に遊ぶ時間を作って、コミュニケーションを取るのがおすすめです。一日一回はゲージから出して、フェレットが好きなおもちゃで遊んであげましょう。
ただし、ずっと触ったり連日のお出かけはかえってストレスになってしまうこともありますので気をつけましょう。
フェレットは体温調節が苦手で、暑さにも寒さにも弱い動物です。熱中症になると最悪の場合死んでしまうこともあります。
フェレットにとっての適温は15~25度、湿度は45~55%程度ですので、適温を保つようにしましょう。お留守番しているときにも適温を保てるように、夏場ならクーラー、冬場なら動物用のヒーターを使って温度を保つようにしましょう。
フェレットも病気の早期発見やフィラリアの予防接種のために、1年に1回は定期検診を受けるようにしましょう。さらに高齢のフェレットの場合は、半年に一度のペースで受けておくほうがいいでしょう。
また、フェレットに異変がある場合は、できるだけ早く病院に連れていくようにしましょう。
この章ではフェレットが死ぬ前に見せる症状についてご紹介します。これらの症状が見られたときは、フェレットに何かしら異変が起きているかもしれません。少しでも早くかかりつけの病院に診てもらうようにしましょう。
死ぬ直前のフェレットは寝ている時間が長くなり、一日中寝ているということもあります。また、反応も鈍くなってきます。しかし、聴覚は最後まで残ると言われていますので、感謝の気持ちを伝えるなど話しかけてあげるといいでしょう。
フェレットは亡くなる直前、食欲が落ちて水も飲まなくなります。体が辛くて食事どころではない、体が栄養を取ることを必要としていないなどの理由が考えられます。
フェレットが亡くなる直前は目や口に力が入らなくなり、よだれが垂れっぱなしになることもあります。
ぐったりしていたフェレットが急に歩き出す、落ち着かなくなるなどの行動をすることがあります。元気になったと思われる方もいらっしゃいますが、このような行動は死ぬ前の一時的な行動であることが多いです。
浅い呼吸が不規則になってくると、死が近づいているサインかも知れません。さらに痙攣することもあります。
ペットちゃんにしてあげられなかった後悔があると、ペットロスに苦しんでしまう場合もあります。
この章ではそのようなことにならないように、ペットちゃんが元気なうちにしてあげられることをご紹介します。
日頃からフェレットと遊んでコミュニケーションを取るようにしましょう。
また、最期は安心して旅立てるように寄り添ってあげましょう。
フェレットの寿命は決して長くありません。元気なうちから見送り方を家族で話し合って決めておくといいでしょう。
突然のお別れになった場合でも、悔いなくお見送りができるはずです。
今回はフェレットの寿命や死ぬ直前に見せる症状についてご紹介しました。
フェレットを飼う際は寿命や飼育方法を知り、一日でも長く元気で過ごせるように務めてあげるだけではなく、最期は安心して旅立てるように寄り添ってあげてください。
苦しむフェレットを見るのは辛いと思いますが、最後まで見送ってあげることはペットちゃんへの何よりの供養になりますし、飼い主様もこれまでの感謝を伝えられる大切な時間になるはずです。
この記事の執筆者
ペット火葬
ハピネス 編集部 J・N
愛するペットちゃんとのお別れによって心に深い悲しみと不安を抱えた飼い主様を支えられるような、わかりやすく正確な記事作成を心掛けています。自分のこと以上に大切な家族を思いやることができる優しい心を持った飼い主様の力になれるように努めます。
※許認可の関係等で現在対応できない地域も
一部ございます。