ウサギは静かでマンションでも飼いやすいため、ペットとして飼われている方も多いと思います。
今回はウサギの死後、どのように対応したらいいのか分からないという方のために、安置や供養方法について解説します。
死後まできちんと対応してあげることは、飼い主様の責任です。辛い状況かと思いますが、大切なペットちゃんを最後までしっかり見送ってあげましょう。
この記事の監修者
高間 健太郎
(獣医師)
大阪府立大学農学部獣医学科を卒業後、動物病院に勤務。診察の際は「自分が飼っている動物ならどうするか」を基準に、飼い主と動物の気持ちに寄り添って判断するのがモットー。経験と知識に基づいた情報を発信し、ペットに関するお困り事の解消を目指します。
この章では、ウサギの寿命や長く生きるために飼い主様がしてあげられることについて詳しくご紹介します。
ウサギの寿命は平均で7~8年と言われています。
しかし、最近はペット用のフードの進化や医療の発達などの理由で、下記の表のように10年以上生きるウサギも多いです。
*ウサギの寿命*
ウサギは生後1~3歳を成長期、4歳からを成熟期、5~6年からシニア期と、人間よりはるかに早いスピードで成長します。
シニア期に入ると体の衰えが出てくるため、ケージ内の危険を取り除く、動物病院で健康チェックをするなどケアしましょう。
愛するペットちゃんですから、少しでも長く一緒に過ごしたいですよね。ウサギの長生きの秘訣をご紹介します。
食事や運動・飼育環境を整えるなどペットちゃんの健康管理は重要です。
特に体にいいメニューやバランスのいい食事が大切。
また肥満や瘦せすぎも体にはよくありません。食事や運動で体型管理してあげましょう。
ウサギは大人しい性格のため、体調の変化に気付きにくいことが多い動物です。
飼い主様は日々のちょっとした変化に気付けるように、しっかり健康チェックすることが大切。
シニア期に入ると少しずつ老化が始まります。
病気になっても早期発見することで助かることもありますので、気になることがあればすぐに獣医師に診てもらいましょう。
大きな音がするような環境はウサギにとってストレスになります。
物音や通行が多いドア付近を避けて。ウサギが安心して過ごせるような環境で飼育しましょう。
また、ずっとかまわれることがウサギにとってストレスになってしまうこともあります。
たまにはひとりでゆっくりできる時間をとってあげることも大切です。
加えて、ウサギは発情期を迎えるとストレスを抱えやすくなるため、避妊・去勢手術も検討しましょう。
ウサギは生殖器の病気になりやすい動物ですが、避妊・去勢手術をすることで、病気になるリスクを減らすこともできます。
ウサギはシニア期を過ぎると、少しずつ老化していきます。この章ではウサギの老化のサインをご紹介します。また、急にこれらのサインが見られた場合は体調を崩しているかも知れませんので、獣医師に相談するようにしましょう。
ウサギの老化を確認するためには、普段のふれあいの中でペットちゃんに変化がないか確認するのが一番です。
例として、エサをあげる時には食事量が減っていないか確認することで食欲が衰えていないか確認することができます。
加えて、痩せすぎていないかどうか体型を見ることも異変に気付くきっかけになります。
その逆に肥満になっている場合も要注意です。
エサの与えすぎなど原因がわかる場合は量を調整するなどの方法で対策してあげましょう。
老化・病気のサインは目ヤニが出ているなどわかりやすい変化だけではありません。
一緒に過ごしているからこそ見落とすこともあるので毎日注意して見てあげましょう。
老化が進んでくると飼い主様のサポートが必要になってくるケースもあります。
この章ではウサギの介護についてご紹介します。
愛するペットちゃんが少しでも快適に過ごせるように、サポートしてあげましょう。
老化が進むと動くことが辛くなってきて足元がふらつくこともあります。段差を取り除くなど、ウサギの負担を減らせるように飼育環境を整えてあげましょう。
具体的には段差があればスロープを付けてあげる、水飲み器を使いにくそうにしていればお皿に変えることが挙げられます。
また、老化が進んだウサギはトイレが間に合わない場合や消化がうまくできず下痢をしてしまうこともあります。
排泄物で汚れて不衛生な環境はストレスになります。
ケージの中を定期的に清掃して清潔な環境を保ち、体が汚れた場合はキレイにしてあげましょう。
ウサギが体を動かせなくなった場合は食事と体勢のサポートが大切です。
特に食事は体力を維持するために重要です。食べやすいようにペットフードを砕いたり、お湯でふやかして与えましょう。
通常のフードが食べられない場合は流動食をシリンジ(針のない注射器)で与えることも検討してください。
体勢をサポートする目的は床ずれ対策です。体重が一点に掛かり続けることを防ぐために定期的に寝返りを打たせましょう。
また、体勢サポートの一環としてマッサージをして血の巡りを良くしてあげることも有効です。
ペットちゃんの体を触ることによって、しこりなどの変化に気付けるかもしれません。
ウサギの見送り方が分からないという方は多いですが、亡くなった後でもペットちゃんにしてあげられることはあります。そこでこの章では、大切なうさぎの死後、飼い主様がしてあげられることについてご紹介します。
ウサギの死亡を確認したら、軽くブラッシングして毛並みを整えてあげましょう。
体に汚れた部分があれば濡らした布でやさしく拭き取ってあげて、きれいな体で送り出してあげる準備をしましょう。
遺体は耳を自然な位置に整え、眠っている時のように手足をゆるく折りたたんだ姿勢にしてあげるのがおすすめです。
また、ウサギの遺体は死後1~2時間程度で死後硬直が始まり、半日か長くても1日程度で解ける場合が多いです。
苦しそうな姿勢のままで過ごさせないよう、ペットちゃんの死亡を確認したら早めに楽な姿勢に整えてあげましょう。
ウサギを安置する際には以下の品物を用意しましょう。
*ウサギの安置に必要な品*
時間が経つと遺体から体液が漏れ出ることがあるため、汚れても交換できるペットシーツや新聞紙を棺に敷き詰めます。
準備が終わったら遺体を優しく棺に納め、遺体が傷まないようにお腹など内蔵が通っている場所を中心に保冷剤を設置します。
お供え物がある場合はここで一緒に棺に納めてあげましょう。
ここまで完了すれば遺体の安置は完了です。直射日光を避けて、日陰の涼しい場所に棺を置いてあげましょう。
ウサギの死後、どのように供養してあげたらいいのか悩まれる方もたくさんいらっしゃいます。この章では、そのように悩まれている方のために、ウサギの供養方法について詳しくご紹介します。動物の場合、人のように供養方法が決まっている訳ではないので、ご自身に合った供養方法を選ぶことができます。納得できる形で供養してあげましょう。
ペットちゃんを引き取って火葬してくれる自治体もあります。
ペット火葬業者に依頼するよりも安価で火葬できるメリットがあるため、火葬にお金を掛けたくない方におすすめの供養方法です。
しかし、自治体によっては引き取ったあとに廃棄物として焼却される場合もあり、多くの自治体では返骨を行っていないため、ペットちゃんを手厚く供養してあげたい方には不向きな方法でもあります。
自治体によっては返骨してもらえる場合もあるなど、お住まいの市区町村によって対応が異なるため、依頼前には必ずどのように対応してもらえるか確認するようにしましょう。
私有地に遺体を埋葬するのもおすすめです。
お庭に埋葬すればペットちゃんをいつも身近に感じられるうえ、料金も掛からないため安価で供養できるのがポイントです。
穴を掘る場合は大雨で流されたり、野生動物に掘り起こされたりしないように深く穴を掘れるよう、きちんと準備をしましょう。
また、万が一掘り起こす必要ができた時のために、埋葬場所がわかるよう目印を置いておくといいでしょう。
ただし、公園やマンションの共用庭はもちろん、河原や山など私有地以外の場所に埋葬すると不法投棄として罰せられますので注意が必要です。埋葬する場合は必ず私有地で行うようにしましょう。
ウサギを人間と同じ方法で供養してあげたい場合は、ペット火葬業者に依頼するのが一番です。
飼い主様自身が拾骨を行えるプランや、僧侶に読経を依頼できるなど、ご要望に応じて必要な作業を手配してくれるのも専門業者の強みです。
近年ではウサギのような小動物を対象に火葬を行ってくれる業者も増えて、業者の選択肢が豊富になっていますが、中には高額請求やペットちゃんのお骨のすり替えなど悪質な対応をする業者も混ざっているため注意が必要です。
理想のお見送りを叶えてくれるお見送り方法ですが、自治体や私有地への埋葬に比べると料金が高額になることや、理想の供養方法を考えておかないと悔いが残る可能性があることを覚えておくようにしましょう。
愛するウサギとお別れすることはとても辛いことですが、最後まで見送ってあげることはとても大切なことです。少しでも長い時間を過ごせるように、健康管理や少しの変化に気付けるように日々の健康チェックを心がけましょう。亡くなった後は、ご自身に合った方法でペットちゃんを丁寧に送り出してあげてください。
この記事の執筆者
ペット火葬
ハピネス 編集部 J・N
愛するペットちゃんとのお別れによって心に深い悲しみと不安を抱えた飼い主様を支えられるような、わかりやすく正確な記事作成を心掛けています。自分のこと以上に大切な家族を思いやることができる優しい心を持った飼い主様の力になれるように努めます。
※許認可の関係等で現在対応できない地域も
一部ございます。