カエルが死ぬ前に見せるサインを紹介。環境・食事の摂り方に注意

愛嬌抜群のカエルは小さい頃からペットにされている方が多いです。

しかし、カエルは他の動物よりもデリケートであり、些細なことがきっかけで衰弱・死に至ることがあります。

そこで今回は、カエルの異変にいち早く気付けるように、カエルが死ぬ前に見せるサインをご紹介します。

カエルと一日でも長く過ごすための食事・生活環境づくりにお役立てください。

この記事の監修者

高間 健太郎(獣医師)

高間 健太郎
(獣医師)

大阪府立大学農学部獣医学科を卒業後、動物病院に勤務。診察の際は「自分が飼っている動物ならどうするか」を基準に、飼い主と動物の気持ちに寄り添って判断するのがモットー。経験と知識に基づいた情報を発信し、ペットに関するお困り事の解消を目指します。

カエルの死因

カエルの死因

カエルが死ぬ前に見せるサインを紹介する前に、カエルの平均寿命や死因について解説します。

カエルの寿命は個体によって大きく異なります。アマガエルは平均5~7年、ヨーロッパヒキガエルは10~12年で、記録では30年以上も生き続けた個体も存在します。

寿命による自然死が理想だとしても、実際は病気などの外的要因がもとで亡くなるケースも多いです。中でも、特に注意すべきカエルの死因について紹介します。

カエルツボカビ症

カエルの命に関わる病気で最も有名なのが「カエルツボカビ症」。

これは「カエルツボカビ」と呼ばれる細菌がカエルの体表に寄生してかかる感染症です。

発症すると体温や浸透圧の調整ができなくなり、死に至ります。

餓死

カエルの死因で特に多いと言われているのが「餓死」です。

特に小さいカエルほど脂肪が少なく、餓死が生じやすいです。

少しづつエサを食べる習性があるカエルや、弱った個体には1日1回はエサを与える必要があります。

私たちに身近なアマガエルも、子ガエルの頃は常時そばにエサを置いて餓死を防ぐなどの工夫が必要です。

アンモニア中毒

カエルの排せつ物を放置すると気化してアンモニアになります。

アンモニアは有毒ガスで、濃度や放置日数によっては急速に死に至ります。また目に見えないため、排せつ物を見つけた時点で素早く片付けるか、専用のアンモニア検知キットを購入し飼育ケースに取り付けておきましょう。

これはカエル飼育初心者の方ほど見落としがちなので、注意しましょう。

冬眠の失敗

カエルは冬眠をする生物として広く知られていますが、冬眠は失敗することがあり、失敗するとそのまま死んでしまいます。


飼育下での冬眠に失敗して亡くなる主な原因は「冬眠に必要な温度まで下がりきらない」「内臓に残った食事が未消化のまま腐敗する」「水分不足で脱水または水分過多で凍結」です。


このように飼育下で冬眠をさせるのはリスクが高いので、長く一緒にいたい場合は冬眠させないという選択も有効です。

寒くなってきたら市販のヒーターを使用し、水槽内を活動しやすい温度に保ってあげることで冬眠をさせずに冬を越すことができます。ヒーターは局所的に暖めるタイプではなく、水槽全体を暖められるタイプを使用してください。

死ぬ前に見せるサイン①食欲がなくなる

死ぬ前に見せるサイン①食欲がなくなる

1つめにご紹介するカエルが死ぬ前に見せるサインは「食欲がなくなる」です。

食欲の有無はカエルの健康状態を把握するのに役立ちます。食欲が無い=死の前兆と断定はできませんが、不調のサインであることは間違いありません。

カエルの食欲がなくなる原因は以下が考えられます。

カエルツボカビ症

カエルツボカビ症の最も顕著な症状の1つに食欲不振があります。

いつも残さず食べていた物を全く口にしなくなったり、蹴飛ばしたり、食べてもすぐに吐き戻してしまったりするようであれば、これが原因かもしれません。

環境悪化による衰弱

飼育ケースに排せつ物が散乱したまま、定期的に換気をしない、湿気が少なく乾燥したまま……このような環境でカエルはだんだん衰弱し、食欲もみるみる無くなります。

生活環境の悪化は飼い主様がその変化に気付かないことも多く、カエルにとって致命傷なのです。

エサのサイズが大きい

カエルは大きなエサにも飛び掛かりますが、捕食に失敗すると恐れて食べられなくなり、拒食を招くことがあります。

これはまだ体の小さい子ガエルに起きやすいため、一層注意が必要になります。なお、エサが小さすぎても食べる気にならないため、カエルの体格よりも少し小さめのエサを与えてあげましょう。

エサが合っていない

カエルは種類によって食べ物の好みが変わります。

例えばアマガエルは樹上性、つまり木や葉っぱの上で活動しています。そのため地上の生き物であるミミズなどをエサとして認識しづらく、食いつきが悪くなります。


逆に地表性といわれる、地面で活動するツノガエルなどは、ミミズへの食いつきがよくなります。このように、カエルの好むエサを把握していないとエサへの食いつきが悪くなり、栄養不足や餓死を招きます。

死ぬ前に見せるサイン②動きが鈍くなる

死ぬ前に見せるサイン②動きが鈍くなる

「エサを食べ終わるスピードが下がった」「飛び跳ねたり地面を這う動きが明らかに遅くなった」と感じられたら、それは死の前兆かもしれません。

この症状が現れたら、明らかに弱っているのが感じられると思います。大好きなエサを見せても近づくまでに時間がかかるなど食欲不振のような症状と合わせて確認できる場合は、その可能性がより高まります。

また、栄養不足でエサに飛びつく体力すら無いほど消耗している可能性もあります。これは餓死に直結する危険な症状です。

もちろん、手足の怪我やエサの食べ過ぎで一時的に動きづらくなっていることもありますが、何の前触れもなく突然症状が現れた場合は疑ったほうが良いでしょう。

死ぬ前に見せるサイン③消化器系の異常

死ぬ前に見せるサイン③消化器系の異常

食欲不振以外にも、以下のような消化器症状がある場合は一度獣医に相談してみましょう。

嘔吐

カエルは嘔吐する際、自分の胃ごと吐き出すことで胃の中の異物を外に出します。

この際に吐き出したものに血液が混ざっている、いつも通りエサを与えているのに何度も嘔吐を繰り返す、という場合は注意が必要です。

特に「嘔吐の回数が通常よりも多い」などは衰弱の兆候ですので、数日間続くもしくは悪化するようであれば獣医へ相談しましょう。

便の状態がおかしい

健康なカエルの便はこげ茶色で、バナナのように細長くゼリー状になっています。

これが緑や黒色に変化したり、下痢のように水状である場合は要注意!動物病院でなるべく早く便検査を行ってください。

原因は寄生虫や有害なバクテリアへの感染、体内の細菌バランスが崩れていることが考えられます。中にはアクセサリーなどの金属片を口にし、重金属中毒を起こしているケースもあります。


これらには他の消化器症状が付随します。便の異常に加えて激しい嘔吐や腹部の膨張などが見られた場合は注意しましょう。

腹水症

腹水とは、文字通りお腹に水が溜まってしまうことです。

原因は腎不全や悪性腫瘍、感染症など様々ですが、腹水が溜まることで胃腸などの消化器官を圧迫し、食欲不振や嘔吐などを誘発する恐れがあります。

もちろん、消化器系に異常が生じた結果腹水が溜まることもあります。治療や検査が困難なケースが多いですが、病院で腹水を抜き症状の一時的な緩和を望むことはできます。

カエルが安心して過ごすために

カエルが安心して過ごすために

1日でも長くカエルが安心して過ごすためには、「環境」と「食事」この2つを常に整えておくことが大切です。具体的には以下のように取り組みましょう。

通気性を上げる

ケージに空気の通り道をいくつも作っておくことで、アンモニアの充満を防ぎ、湿度を適切にコントロールできます。

ただし、湿度に敏感なカエルもいますので、多ければ良いというわけではありません。皮膚が乾燥していないかを確認しながら調整していきましょう。

水場を小まめに掃除する

飼育に設置するカエルの水場は病原体の温床になりやすく、一度悪い菌が入るとものの数日で病原菌が大量に繁殖する恐れが十分あります。

ひとたびそこにカエルが入れば、死に至るのは時間の問題といっても過言ではありません。

したがって、水場が何となく臭いと感じられた際はすぐ新しい水場に取り換えましょう。

エサの量や回数を守る

先程述べたように、エサの大きさや回数が適切でない食事はカエルにとって大きなストレスとなります。

量や回数は、飼育しているカエルの種類や体格に合わせて与えてあげましょう。カエルを購入したペットショップや動物病院で食事のアドバイスを受けるのがおすすめです。

まとめ

生きとし生けるものにはすべて「寿命」が存在します。

どの生き物も必ず死ぬからこそ、1日でも長く健康に生きたいと思うものです。それはカエルも同じだとご理解いただき、カエルをかけがえのない家族の一員として大切に守り続けてあげましょう。

毎日のお世話の中で「食事」「排せつ物」などを確認してカエルが快適に生活できているかを確認し、病気にならないように環境を整えてあげることが大切です。

この記事の執筆者

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ペット火葬
ハピネス 編集部 J・N

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