オウムが死ぬ前のサインを見逃さず、後悔なく見送るための方法は?

大切なペットのオウムと後悔なくお別れする方法と、長く一緒に過ごすために必要なことを皆さんはご存知でしょうか。

基本的な知識や日々気をつける点を当コラムでご紹介します。

この記事の監修者

高間 健太郎(獣医師)

高間 健太郎
(獣医師)

大阪府立大学農学部獣医学科を卒業後、動物病院に勤務。診察の際は「自分が飼っている動物ならどうするか」を基準に、飼い主と動物の気持ちに寄り添って判断するのがモットー。経験と知識に基づいた情報を発信し、ペットに関するお困り事の解消を目指します。

オウムの寿命

オウムの寿命

オウムは鳥類の中でも寿命は長いことで知られています。その中でも、よく飼われているオウムの平均寿命を紹介します。

*オウムの平均寿命*

  • オカメインコ 10~15年
  • キバタン 20~50年
  • モモイロインコ 40年
  • タイハクオウム 40~50年

オウムが何故長生きであるかという理由は明確には分かっておりません。一説では、あまり飛ばないことでエネルギーをその分消費しないからではないかといわれています。専門家の中には、ゆっくり呼吸をするために心臓に負担がかからないから、体が大きいからという説を提唱する方もいます。

また、野生よりも飼われているオウムのほうがさらに長く生きる傾向があるそうです。理由としては、外敵がいないこと、餌を十分にもらえることが大きいですが、飼い主の愛情を受けることも影響しているのではないかといわれています。

日々の変化に気付く

日々の変化に気付く

オウムは体調が悪くても隠そうとするので、日々観察しておかないと、些細な変化に気付きにくいものです。また、定期的に健康診断を受けるようにしたほうがいいでしょう。これは人間も同じですが、長く生きる中で健康に気をつけていても、体のどこかに異常は出てきます。そのため、幼鳥期と高齢期は半年に1回、成長期は1年に1回、必ず健康診断を受けるようにしましょう。

まずは日々よく観察し、変化があればすぐに病院へ連れて行くようにしましょう。

日々の健康チェックのポイント

・体重の減少
・ケージの中で寝てばかりいる(老鳥は除く)
・餌を食べない、または、量が減ってきた
・常に呼吸が荒い
・フンの量が少ない、色が違う、下痢気味が続いている
・くしゃみをよくする
・鼻汁が出る
・頻繁にあくびをしている

危険な状態

・日ごろは木にとまっているのに、降りてうずくまっている
・餌を食べない
・フンの大きさが極端に小さい、フンをしない
・血便がある
・骨折している
・羽毛を膨らませて寒そうにしており、温めても変わらない。

後悔しないためにできること

後悔しないためにできること

いつ訪れるか分からないペットちゃんとのお別れを悔いの残らないようにするためには、事前にできることをしておくことが大切です。悲しみの中で葬儀社を探すことや安置の仕方を調べるのは、とても辛いことだからです。事前にできることと、安置の方法をまとめました。

事前に準備する

まずは弔いの方法を決めます。火葬するだけなのか、火葬して墓に納めるのかなど、飼い主様の希望にもよりますが、どのような業者があるのかをインターネットなどで探してみましょう。自分の希望に近い業者を数件に絞り、時間があれば実際にその葬儀社などを訪問して話を聞いてみるのもおすすめです。

また、ペットちゃんと離れたくないという方は、お骨をアクセサリーなどにする方法もあります。一番自分に合った方法を考えておくと、後で迷わずに済みます。

安置方法

ペットちゃんが亡くなってすぐに葬儀や火葬を行う必要はありません。正しく安置すれば、2~3日は一緒にいることができますので、お別れをする時間を作ることができます。

まずは、ペットちゃんを寝かせることができる大きさの箱を用意します。箱の中にタオルやガーゼなどを敷き、保冷剤で冷やしてあげましょう。保冷剤は直接触れないように布などで巻き、溶けたら交換します。また、夏場などの気温の高い時期はエアコンなどを使って、涼しい環境を作り出せるように工夫しましょう。

長生きしてもらうために

長生きしてもらうために

最愛のペットちゃんとできるだけ長く一緒にいるために、ペットちゃんには元気でいてほしいものです。

この章では、日々の生活の中でできることをまとめております。

温度・湿度の管理

オウムは、東南アジアやオセアニア辺りが原産で、日本とは違う気候に生息しているため温度・湿度の管理には十分に注意する必要があります。特にオーストラリアの乾燥地原産のオウムは湿度に弱い傾向があります。

オウムの種類によって違いますが、基本的に室温は25~30度、湿度は60%にエアコンや除湿器を使って保つようにしましょう。

1日の温度差は10度以内にするほうが体への負担があまりかかりません。

日光浴をする

日を浴びることは、健康を保つ上で大切です。オウムは日光浴をするとビタミンDを体内で作り出し、ビタミンDがカルシウムの吸収を助けてくれます。もしカルシウムが不足すると骨に異常が出ることもあるため、日光浴は非常に大切なのです。また、日光浴はストレス発散や紫外線による殺菌効果もあるといわれており、健康維持にはかかせない時間です。

日光浴を行う際はオウムの状態をよく観察し、疲れているようならば時間を短くしたり、負担がかかったりしないように気をつけましょう。特に夏の暑いときは熱中症などに注意が必要です。

放鳥する

オウムは定期的に放鳥して、自由に飛ばせてあげることも大切です。放鳥はストレス発散になりますし、肥満予防にもつながります

また、1日1回ケージから出してあげるだけで、オウムにとっては飼い主とスキンシップできる機会にもなります。寂しい気持ちが和らぐので、気持ちの面でも大切な時間となります。

しかし、放鳥時は事故が多いため、細心の注意を払う必要があります。逃がして迷子にしないように窓や扉は閉めておき、観葉植物や金属類などの危険な物はオウムが興味を強く引くため部屋に置かないようにしましょう。

寂しい時間を作らない

オウムは本来群れで生活しているため、一羽でいることに強いストレスや不安を感じてしまいます。そのため、極度に暇な時間が長く続いたり、強いストレスや不安を感じたりすると、自傷行為に走り、毛引き症になってしまう可能性があります。毎日かまってあげて寂しくさせない工夫が必要です。

こまめな体重測定

体調管理の一環として、普段から体重測定を習慣づけるようにしましょう。動物は、本能的に体調不良やけがを隠そうとします。鳥類は羽に体が覆われているため、さらに表情や体調不良などの変化に気付きにくいのです。そのため、体重の増減によって判断するほうが分かりやすいです。急激に体重の増減がある場合は病院に連れて行きましょう。

オウムのけがや病気

オウムのけがや病気

長く生きる中、人間と同じようにオウムもけがや病気をします。ペットちゃんと長く一緒にいるためにも、どんなけがや病気があるのかを知っておきましょう。下記はオウムによくみられる症状ですが、下記の症状関係なく、ペットちゃんの調子が悪いと思ったら、すぐに病院に行ってください。

PBFD(オウム類の嘴・羽毛病)

PBFDウイルス(サーコウイルス)というウイルスによって引き起こされる、重篤かつ致命的な感染症疾病で、主に3歳以下のあらゆるオウムに多く見られます。甚急性、急性、慢性の3型に分けられ、次のような症状が現れます。

*PBFDの症状*

  • 全身の羽が抜け落ちる
  • くちばしや羽が異様に伸びる
  • 体重が減る
  • 食欲や元気がなくなる

BFD

「ポリオーマウイルス」というウイルスによって発症する病気です。若いオウムに感染・発症しやすいウイルスです。もし雛が発症すると、非常に高い致死率となります。また、現在治療法が確立されていない病気でもあります。しかし、治療を受けてから症状が落ち着き、無事に成長したという事例もあるので、もし病気になってしまっても諦めずに治療してあげてください。

*BFDの症状*

  • 羽が異様に抜ける、生え方がおかしいなど羽に異常がみられる
  • 嘔吐や下痢をする
  • 食欲や元気がない
  • 体重が減る

オウム病

「オウム病クラミジア」が原因で起きる人畜共通の感染症です。健康そうに見えるオウムでも、感染している場合があります。しかし、健康で体力がある場合は症状が現れず、ストレスや病気などで体力が落ちると突然発症します。
また、オウム同士の感染だけではなく、オウムから人間に感染する可能性もあります。人間の場合、インフルエンザのような症状がでます。

*オウム病の症状*

  • 鼻水が出る
  • 食欲や元気がなくなる

メガバクテリア症(=AYG、マクロラブダス症)

「マイクロラブダス」というカビが原因の感染症です。感染しても必ず発症するわけではなく、一生を通じて発症しないこともあれば、長期間続くこともあります。また、急激に重篤な症状が出ることもあり、体力や免疫力などの個体差が関係します。

急性型の場合は、発症から数日で亡くなってしまうこともあります。
慢性化するとなかなか治らない病気ですが、発症する前に早期発見、早期治療すれば完治可能な病気でもあります。

*メガバクテリア症の症状*

  • 嘔吐や下痢
  • 血便が出る
  • 体重が減る
  • 食欲や元気が亡くなる

毛引き病

病気の名称ではなく、オウムによくみられる問題行動の一つです。毛引き症は、自分の羽をかじったり、引き抜いたりする自傷行為のことを指します。この行為の原因は2種類あり、外的要因と内的要因があります。

外的要因はアレルギーや寄生虫による皮膚のかゆみや傷みがほとんどです。その場合、病院で診察を受け、投薬や通院をするうちに治まる可能性が高いです。

内的要因は主にストレスで、暇な時間が長い、環境が変化したことなどが原因です。その場合、ストレスの原因を突き詰め改善しなければいけないため、外的要因よりも改善が難しい場合があります。

また、毛引き症が悪化すると皮膚まで傷付けてしまい、「自咬症」になってしまうこともあります。できるだけ早く改善しなければいけません。

マイコプラズマ病(MYC)

「マイコプラズマ菌」によって引き起こされる呼吸器疾患です。症状は、結膜炎、鼻炎、副鼻腔炎を起こし、時には気管支炎や気嚢炎にまで進行することもあります。オカメインコでは結膜炎や副鼻腔炎が慢性化することが知られています。

まとめ

寿命の長いオウムと一緒に過ごす時間は自然と長くなります。そんな最愛のペットちゃんとのお別れを悔いなく迎えるために、日々の生活から十分に気をつけ、沢山の愛情を注いであげましょう。

当コラムを通して、オウムの特徴やかかりやすい病気を知り、一日でも長く一緒に生活できるように体調管理に気をつけてあげ、後悔のないお別れができるようにお考えいただけたらと思います。

この記事の執筆者

執筆者

ペット火葬
ハピネス 編集部 J・N

愛するペットちゃんとのお別れによって心に深い悲しみと不安を抱えた飼い主様を支えられるような、わかりやすく正確な記事作成を心掛けています。自分のこと以上に大切な家族を思いやることができる優しい心を持った飼い主様の力になれるように努めます。

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