大切なペットちゃんを弔うためにお葬式を執り行うことをお考えの方も多いでしょう。
しかし、お葬式には様々な形式があり、また葬儀社によってもサービスは異なります。
いざお葬式を行うときになって急に探し始めることがないように、事前にペット葬儀社やお葬式に関する情報を収集しておくことが大切です。
かけがえのない家族の一員だからこそ、ペットちゃんが元気なうちから、家族みんなでお葬式についてよく話し合っておきましょう。
この記事の監修者
高間 健太郎
(獣医師)
大阪府立大学農学部獣医学科を卒業後、動物病院に勤務。診察の際は「自分が飼っている動物ならどうするか」を基準に、飼い主と動物の気持ちに寄り添って判断するのがモットー。経験と知識に基づいた情報を発信し、ペットに関するお困り事の解消を目指します。
最優先すべきは、どのような葬儀社に依頼するかという点です。葬儀社によって葬儀スタイルやサービス内容、費用が異なるため、予算や目的に適う葬儀社を選ぶことが何よりも重要です。
まずは家族内でお別れの方法について話し合います。
具体的には火葬方法や、火葬後のお骨の取り扱いについて話すのがおすすめです。
・遺体の処理だけを考えている
・個別・合同どちらかで火葬をする
・火葬後に遺骨を引き取る、もしくはそのまま納骨する
お葬式を行う上で避けて通れないのが費用に関する相談です。
「最後なのでいろいろしてあげたい」と誰しも思います。お葬式はお金をかければいいというわけではありませんが、価格を重視するあまり低価格というだけの理由で葬儀社を選択するのもおすすめはできません。
一番望ましいのは低価格で質の高いサービスを提供してくれるペット葬儀社ですが、値段だけを見ずに、葬儀の規模を考えてお葬式のプランを選択するようにしましょう。
家族ができる範囲でしっかりと見送ってあげることが何よりの供養となります。
最初からペット葬儀社を一社に絞るのは賢明な方法ではありません。
複数のホームページを確認してから数社に絞り、その後順番に電話かメールで問い合わせて相見積もりを取りましょう。
葬儀社を選ぶときの注意点として、問い合わせの前後で最低限押さえておくべきポイントについて紹介します。
どこの葬儀社も良い感想が多数を占めますが、特に注目すべきはサービス内容についての感想です。
実際に利用した方と希望する葬儀スタイルやサービスは異なるかもしれませんが、葬儀社の対応力や利用者の立場になってサービスの提案をしてくれているかなどを判断できる重要な情報源となります。
また利用者の感想が随時更新されていれば最新の情報が分かるため、良い判断材料になります。
中には火葬を他社へ依頼するブローカー(仲介人)のようなペット葬儀社も存在しています。
納骨の施設も自社所有なのか、それとも提携しているお寺があるのかなど、知りたいことがホームページで分かりやすく説明されているかどうかの確認も怠らないようにしましょう。
スタッフの対応はサービスを受けるうえで欠かせない重要なポイントです。
親身に対応してくれる葬儀社であれば、電話やメールで問い合わせたときに相談内容に見合った提案の他、希望内容の実行が無理なら代替案を提供してくれます。
見積書に必要な項目が明確に記載されていれば、実際に葬儀でかかる費用はいくらになるか分かるので安心です。
数社に問い合わせてサービスや料金に大きな違いがない場合、最後はスタッフの対応で決まるのではないでしょうか。
反対に他社よりサービスや料金が見劣る場合でも、依頼者やペットちゃんのことを親身になって考え、心が温まる対応をしてくれたら「依頼して良かった」と満足できるでしょう。
大切なペットちゃんが安らかに旅立てるよう安心して任せられる葬儀社を選んであげることが、飼い主である家族ができる最後の責任です。
ペット葬儀の方法は、大きく分けて次の2つが挙げられます。
住職が祭壇前で読経を行い、飼い主や家族はお焼香をする
自宅前や思い出の場所で移動火葬車に祭壇を設置し、住職が同伴していれば読経を行う。飼い主や家族はお焼香をして供養し、葬儀後に火葬する
複数のペットの遺体をまとめて火葬する方法。お骨になったときに判別できないため返骨は行われず、多くは共同墓地へ埋葬される
ペットの遺体を1体ずつ火葬する方法。希望者は火葬への立ち会いやお骨拾いもでき、遺骨を持って帰ることも可能
この基本となる方法を基に葬儀社は依頼者が望む葬儀プランを提案してくれます。
火葬後にペット霊園にお墓を立てたり、家族との共同墓地に納骨したりする方法もありますし、お骨を手元に置いて供養することもできます。
ペットちゃんをしっかりと弔ってあげるためにも家族でよく話し合い、納得のいく方法を考えましょう。
余命が残りわずかだと分かっている場合には、少なくとも数日前には葬儀社選びを終えているように準備しておくことが大切です。
死亡が確認されてから葬儀社を探し出すような状況では、気持ちの整理をつける間もなく慌ただしい中で葬儀社を選ばなければなりません。
葬儀形式は飼っているペットちゃんの種類によって異なるため、準備を何もしていない場合は適切な葬儀を執り行えないことも起こり得ます。
事故死のように突然の場合は仕方ありませんが、ペットが高齢期を迎えたら事前に葬儀社を決めておくことが望ましいでしょう。
ペットブームといわれるこの10年あまりでペット葬儀は急増し、現在ではペットちゃんの葬儀を執り行うことは一般的になりました。
ペット葬儀が普及する以前は、亡くなったペットが小動物であれば土に埋めて土葬することもできましたが、中型以上の大きさの動物は衛生面の問題もあり焼却炉に運んで焼いてもらう方法が一般的でした。
しかし、保健所に依頼すると他の動物たちと一緒にまとめて焼却炉で焼かれてしまうという処分に値するような扱いに、家族の一員として一緒に暮らしてきた飼い主は非常に辛い思いをしてきました。
「ペットちゃんの旅立ちを心穏やかに見送ってあげたい」という飼い主の共通の思いから、火葬・納骨といった人と同じ葬儀スタイルで供養できるペット葬儀を行う団体が生まれ、飼い主様はペットちゃんの旅立ちを心置きなく見送ることができるようになりました。
ペット葬儀が主流になったとはいえ、動物の火葬は法律で定められておらず、法整備は十分ではありません。
ペット葬儀社を開業するために必要な基準を設けている自治体もありますが、多くは看板さえ掲げていれば誰でも開業できるような状態です。
そのため、悪質な対応をする業者も存在します。
引き取ったペットの大量遺棄や、火葬後に違う種類の動物の遺骨が返ってきたというような事例も確認されており、葬儀後に追加費用として法外な料金を請求されて被害に遭うケースも多いようです。
ペットブームに便乗する悪質な業者によるトラブルも多いです。
そのため、依頼者側も火葬現場に立ち会えるプランを選択したり、見積書に追加料金がかからないことを明記してもらったり、安全策を講じておく必要があります。
ペットちゃんとの最後のお別れです。気持ちよく見送ってあげるためにも葬儀社は慎重に選びましょう。
家族同然のペットが死を迎えたときに落ち着いて葬儀社を探すのは容易ではありません。
急いで探した結果、しっかりと弔うことができなかったとのちのち後悔の声を聞くこともよくあります。
中には元気なうちからお別れのことを考えたくない、と思う方も多いはず。
しかし、ペットちゃんを悔いなく見送る方法について考えるのは、ペットちゃんに対して責任を果たすための愛情表現とも言えます。
ペットちゃんとの別れを心穏やかに迎えるためには、飼い主様やご家族の皆様がどのような方法でペットちゃんを弔ってあげたいかを常日頃から話し合い、考えをまとめて整理しておかなければなりません。
納得のいくお別れができるよう事前にしっかりと準備しておくことが何よりも大切です。
この記事の執筆者
ペット火葬
ハピネス 編集部 J・N
愛するペットちゃんとのお別れによって心に深い悲しみと不安を抱えた飼い主様を支えられるような、わかりやすく正確な記事作成を心掛けています。自分のこと以上に大切な家族を思いやることができる優しい心を持った飼い主様の力になれるように努めます。
※許認可の関係等で現在対応できない地域も
一部ございます。