愛猫が息を引き取った際、飼い主様は愛する家族に言ってあげたいことがたくさんあるかと思います。
しかし、猫は亡くなるとすぐ死後硬直が始まるため、悲しい気持ちは一度抑えて遺体の姿勢を整えることをおすすめします。
猫が意識を失った際は「亡くなった」のか「仮死状態」なのかをきちんと見分けましょう。
体が動かない、呼びかけに反応しない場合であっても、体温・呼吸・脈拍など生命活動が続いている場合は仮死状態です。
極度に弱った猫の呼吸・脈拍は数分間でわずかな回数しかないこともあるので、落ち着いて判断することが大切です。
生命活動を確認できた場合は、まずは落ち着いて動物病院に連絡するなど、蘇生できないか探ってみましょう。
生命活動が確認できない場合、猫の瞳にある瞳孔(黒い部分)を確認します。
猫の目は明るい場所ではIの字型に細くなるため、明るい場所でも瞳孔に変化がない場合は亡くなっていると考えられます。
瞳にライトを当てて瞳孔の動きを確認する方法もありますが、仮死状態の場合は目を負傷する恐れがあるため、生命活動が止まった後の最終確認として行うようにしましょう。
動物は亡くなって数時間後には全身の筋肉が硬直する死後硬直が起こりますが、猫は死後2~3時間程度、短ければ1時間ほどで死後硬直が始まります。
死後硬直は手足、腹部、頭部など段階を踏んで全身に広がっていき、やがて全身が固くなって動かなくなります。
その後、死後硬直が始まって24時間程度が経過すると、猫の体は再び柔らかさを取り戻します。この現象を「解硬」と言い、その現象が起こった後は遺体は少しずつ腐敗して分解されていきます。
猫の遺体を安置できる日数は長くても夏場で2日、冬場なら3日程度とされていますが、これは死後硬直が始まって解硬が起こり、遺体が傷みはじめるまでの時間とも言えます。
愛する猫をきれいな姿で見送ってあげるためにも、死後硬直が始まる前にやるべきことを把握しておくようにしましょう。
猫は死後1~2時間程度で死後硬直が始まります。それほど時間の余裕はありません。
愛猫が亡くなったことは悲しいですが今は気持ちを抑えて、死後硬直前にやるべきことをやってあげましょう。
手足が伸びたままでは苦しそうな姿勢に見えるうえ、棺に収まらないケースも考えられるため、悲しいですが愛猫が死亡したら、死後硬直が始まる前に姿勢を整えてあげてください。
筆者の愛犬は棺代わりに用意していた箱に遺体が収まらず、伸びていた手足を体側に寄せて、丸くなって眠っているような姿勢に整えてあげました。
たくさんの花に囲まれ、タオルで包まれて目を閉じている姿は亡くなっているとは思えないような穏やかな雰囲気で、悲しい気持ちが少し和らいだ事を覚えています。
きちんと姿勢を整えて棺に納めてあげることは旅立つ愛猫が安らかに眠れるように願って行うことであり、飼い主様の気持ちを整理することにも繋がります。
ご遺体を棺に納める際にはブラッシングをしたり汚れた部分を拭くなど、できる限り体をきれいにしてあげましょう。
また、死後硬直は時間が経てば解けて、再び柔らかくなります。
その際には肛門から体液が漏れ出ることがあります。あらかじめ肛門に脱脂綿を詰めて遺体を汚さないようにしてあげましょう。汚れても交換できるように、棺にはペットシーツなどを敷いておくのもおすすめです。
「猫は死後硬直後に生き返る」という説が猫の飼い主様の間で囁かれることもあるようです。
可愛くて特別な子だからこそ「亡くなったはずなのになかなか体温が下がらない」「目を開けたままだから、意識を取り戻すかもしれない」と愛猫が帰ってくる兆しを探したくなりますが、死後硬直は猫が亡くなったことの何よりの証拠です。
アニコム損害保険株式会社が2018年に猫のペット保険契約者に対して行った「nekokusei(ねこくせい)調査」では「猫と暮らし始めて幸福度が高まったと感じるか」という質問に対して「とても高まった」と回答した方は74.6%「高まった」と回答したのが25.1%と、なんと99.7%の方が猫と暮らし始めて生活の幸福度が高まったと回答しています。
人生にたくさんの幸せを与えてくれる猫がこの世を去ってしまうことは、人生の幸せと豊かな部分を失うことでもあります。
幸せな時間を取り戻すため、たくさんの愛猫家が救いや心の安らぎを求めた結果が、この噂の出所かもしれません。
*参考サイト
「nekokusei(ねこくせい)調査」アニコム損害保険株式会社
(実施期間:2018年2月28日~3月8日、有効回答数:4,036件)
これまでたくさんの癒しを与えてくれた猫が安らかな気持ちで旅立てるよう、きちんとお見送りしてあげてください。
猫が旅立った後でも、思い出だけはずっとそばに寄り添ってくれます。火葬する前に形見にしたいものがあれば猫ちゃんに少しだけ協力してもらいましょう。
猫の場合は足形を取ったり、ヒゲや毛をカットして残しておくのが人気です。
猫の火葬は火葬業者・自治体に依頼できます。
大まかに、火葬業者は火葬後の拾骨や専門スタッフによるアドバイスなど手厚く供養してあげたい方におすすめの方法であり、安価で火葬が行える自治体は手早く火葬を済ませたい方におすすめの方法です。
返ってきた遺骨は霊園に埋葬することもできますが、近年は手元供養も人気の供養方法です。
手元供養とはお骨を家の中の祭壇に飾ったり、キーホルダーなどに遺骨を納めて持ち歩けるメモリアルグッズに加工する方法を指しますが、旅立った猫ちゃんを身近に感じられる方法です。
唯一無二の存在を失った心の痛みは、すぐには癒えないものです。あまりに別れが辛い場合は「ペットロス」と呼ばれる心身にダメージを受けた状態になることもあります。
別れの辛さを乗り越えるまでにかかる時間と方法は人それぞれです。
やらなければいけないことがあるかもしれませんが、ここはご自身とご家族の気持ちを第一に考えて、まずはゆっくり体と気持ちを休ませることも大切です。
どうしても辛い気持ちが続く場合は、こちらのコラムを参考に、少しの間体と心を休める方法を探すのもおすすめです。
猫の死後硬直は短い場合で1時間、長くても3時間程度で始まります。全身が硬直してしまう前に、楽な姿勢に整えてあげてから棺に納めてあげることが大切です。
その際には体液が漏れてこないように肛門に脱脂綿を詰めておくことや、万が一の際には取り換えられるように棺の中にペットシ―ツを敷くことも忘れないようにしてください。
生活に寄り添ってくれた可愛いパートナーが亡くなったことをすぐに受け入れるのは難しいですが、少しずつ前に進めるように、まずはゆっくりと体と心を休めることも大切です。
この記事の執筆者
ペット火葬
ハピネス 編集部 J・N
愛するペットちゃんとのお別れによって心に深い悲しみと不安を抱えた飼い主様を支えられるような、わかりやすく正確な記事作成を心掛けています。自分のこと以上に大切な家族を思いやることができる優しい心を持った飼い主様の力になれるように努めます。
※許認可の関係等で現在対応できない地域も
一部ございます。